「自分には何も取り柄がない…」と思っている方へ|“自分の得意”の見つけ方

実は、私も長い間
「自分の得意ってなんだろう?」
と思っていました。
でも、“得意”のヒントは
日常にちゃんと隠れていました。
会社員から起業へと
進んだ私の中にあった、
気づかなかった「得意の種」を
見つけた方法をご紹介します。
「自分には何も取り柄がない…」と思っている方へ|“自分の得意”の見つけ方
友人との電話がくれた、“当たり前”への気づき

つい最近、教室をしている友人から
「ちょっと相談したいことがあるんだけど」
と連絡があって、久しぶりに電話をしました。
気づけば3時間。
その中で友人から、
ふとこんな質問を受けたんです。
三村さんって、銀行にいた頃から
今の仕事につながるような片鱗ってあったの?
その瞬間、私は一度、言葉に詰まりました。
うーん…どうだったかなぁ?
でも、その後じわじわと、
思い出してきたんです。

たとえば、提案資料をパワーポイントで
作るのが得意だったこと。
セミナーのチラシを作る時に、
「こういう表現にした方がわかりやすいよね。」
って直感で分かっていたこなど。
それって、自分にとっては“当たり前”すぎて、
まさか「得意」だなんて思ったことが
なかったんですよね。
でも友人に言われて、改めて気づきました。

あれ?もしかして、あの頃から
“今の仕事の種”はすでに
あったのかもしれない。
そうやって振り返ってみると、
自分では普通だと思っていたことこそが、
実は他の人にとっての「すごい」だったりする。
この電話は、まさに
「自分の当たり前=得意」
に気づけた瞬間でした。
振り返って思い出す私の”得意”

銀行員時代、2年目立った私は
私は社長や役員と一緒に
中国出張に同行することになりました。
初めてのことだらけで、
緊張もあったけれど、
あのときの私は、とにかく
「できることを全部やろう」と、
無我夢中でした。
通訳の仕事はもちろんですが、
それ以上に私が意識していたのは
“先を読むこと”。

たとえば、会食の席でお皿が汚れてきたら、
すぐにお店のスタッフに
「交換をお願いします」と声をかける。
ゴミ箱が見当たらなければ、
ビニール袋を持参して
「ここにどうぞ」と差し出す。
そんな、いわば“気が利く小さなこと”が、
自然と私の中から出てきたんですよね。
今思えば、これが私の得意とする
「気配り力」であり、
人の動きや場の空気を読む
「先読みの力」だったのだと思います。
同行していた秘書の先輩が、
一歩先を読んで動く姿勢を見せてくれて、
その背中を見ながら、
私も自然とそれを身につけていきました。

誰かの行動を見て、
「次、これが必要だな」と感じ取って動くこと。
それがスムーズにできること。
細やかな気配り、気づきの早さ、空気を整える力。
まさに“乙女座っぽい”と、
今では理解できるのですが、
当時は、「それが得意」なんて、
思ってもみなかった。
ただ、「これをやったら、相手が助かるかも」
その一心で動いていただけなんです。

でも、その積み重ねこそが、
今の仕事で活かされている
“人をサポートする力”の原点だと思います。
そしてもうひとつ、
今思い出したことがあります。
当時、銀行では海外駐在中のメンバーから
送られてくる「現地レポート」を、
私がまず文章チェックをして、
リーガルチェックを通したうえで、
ホームページに掲載するという
業務も担当していました。
内容は主に現地の経済や情勢に関するもので、
文字の表現や語尾の調整、
誤解が生じないような構成の見直しなど、
細かいところまで確認していたんです。
その頃は「文章を整える力」が
仕事になるなんて思ってもいませんでしたが、
今思えば、あれが“伝わる文章”を意識する原点
だったのかもしれません。
「これは読み手にどう伝わるかな?」
「この言い回しで誤解を生まないかな?」
そんな視点はあの頃から
自然と持っていたということですね。
コンサルの“種”は、現場の中にあった

実は、銀行時代を振り返ってみると、
今の私のコンサルティングの“種”になるものも、
あの頃から自然と動いていたんだなと感じます。
私は、ちょっとでも
「これ、なんでこんなに
面倒くさいんだろう?」と感じたら、
すぐに改善策を考えずにはいられないタイプでした。
たとえば、部署の中での業務フロー。
「この手順、飛ばせるんじゃない?」
「二度手間になってない?」
そんな視点で、誰も疑問に
思っていないやり方を見直して、
“最短で目的にたどり着ける方法”を
見つけるのが得意だったんです。

そして後半のキャリアでは、
営業を担当することになりました。
銀行の営業というと、
「商品を売る仕事」というイメージが
強いかもしれませんが、
私の場合はちょっと違いました。
企業の決算書を読み込んで、
・この会社はどんなビジネスをしているのか
・どんな課題を抱えていそうか
・今後どう成長していくためには、
どんな提案が必要なのか
そうやって、
“商品を売る前に、相手を知る”ことに
重きを置いていたんです。
すると、ある社長さんが
こう言ってくださったことがありました。
「銀行の人って、ただ条件の話を
するだけだと思ってたけど、
こんなふうに“うちのことをちゃんと見てくれた”んだね」
その言葉が、本当に嬉しかった。

私は“売る”ことに喜びを
感じていたんじゃなくて、
「相手の未来を一緒に考えて、
そこに必要なものを提案する」ことが、
自分の喜びだったんだと気づいたんです。
これってまさに、今私がやっている
「言葉にできない想いを整理して、
ビジュアルに落とし込み、売れる導線を作る」
という仕事そのもの。
分析力、提案力、相手の立場に立つ視点
コンサルタントとしての私の土台は、
もうこの頃から、
しっかり育ち始めていたんだなと思います。
得意は“場所”が変わると輝き出す

人の才能や得意って、
その人自身が変わる必要はなくても、
「場所」や「環境」が変わることで、
一気に輝き出すことがあります。
“自分の中にあるかどうか”だけでなく、
“どこに置かれているか”で
決まることもあるということ。
だから、
「今の場所でうまくいかない=自分がダメ」
ということでは、決してないんですよね。
あなたが今、なんとなく
“違和感”を抱えているとしたら、
もしかするとそれは
「あなたの才能がもっと
輝ける場所が、他にあるよ」
というサインかもしれません。
人に聞いてみることも大事

そしてもうひとつ大事なこと。
自分の得意って、
案外自分では気づけないということ。
私も、コンサルの先生である高橋貴子先生や
友人に「それ、すごいよ」
「そこ、もっと活かしたほうがいい」と言ってもらって、
「あれ? 私、それ得意なんだ」
と思えるようになりました。
かよさんって、話を聞いて
言語化するのが本当にうまいよね。
それに、その人の世界観に合わせて
ビジュアルで整えるって、
誰にでもできることじゃないよ。
三村さんって、話の吸引力がすごいよね。
話していると、点でバラバラだったことが
スーッと吸い取られて、気づいたら
整理されて“こうすればいいんだ”っ
て答えが見えてくる。
「なるほど、それが私の強みなんだ」
と素直に受け入れることにしました。
そしてひとつ、
ここでお伝えしたいことがあります。

日本人って、いいところを言われるとつい
「いえいえ…」と謙遜しがち。
でも、その謙遜はもう手放してください。
誰かに「それ、すごいね」と言われたら、
どうか素直に「ありがとう」と受け取ってほしい。
それはあなたの中にある“得意の種”だから。
そこそこできる、がいくつかあるより、
突出したなにかひとつが憧れです。
という方がいらっしゃったのですが、
私は、そこそこできるがいくつかあることは
とても価値があることだと思っています。
突出したひとつの強みは、
確かに目立ちやすくて、
憧れを抱かれやすいかもしれません。
でも、そのひとつだけで仕事になるかというと、
実はそうでもなかったりします。
むしろ、“そこそこできること”
がいくつかある人は、
場面ごとに柔軟に役割を変えたり、
相手に合わせて提供を変えたりできる。
言い換えれば、誰かにとって
“欠かせない存在”になれる力を持っている
ということなんです。

だから、人から言われたことを
素直に受け取って、
自分の得意を認識して、
どんどん伸ばしていってほしい。
それが、あなたの未来を大きく変える
きっかけになりますよ。
まとめ 得意はあなたの中にすでにある

特別なスキルがないと感じていても、
実はもう、
あなたの中には“得意”が眠っているんです。
それは、資格や肩書きじゃなくて、
・自然と人に喜ばれること
・よく人に言われること
・努力してないのに、スルッとできること
そういうところに、
こっそり隠れていたりします。

あとは、それに光を当ててあげること。
「これは私の中にある力なんだ」
と認めてあげること。
そうすると、不思議なくらいスルスルと、
「自分はこれでいいんだ」
と思える瞬間がやってきます。
あなたの“得意”は、
もうちゃんとそこにある。
あとはそれを、
掘り出して、使ってあげるだけです。
あなたが、他の人より
スルッとできていたことは何ですか?